2013年12月16日

YAMAHAクアトロビート考

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お客さんからの依頼品、ヤマハ「クアトロビート」。
創業者、山葉寅楠の名から社名がYAMAHA(ヤマハ)。

科学的に道具を設計することで有名だったYAMAHAが
スポーツに力を入れていたころのテニスラケットです。

もともとはアーチェリー用具の開発から始まったヤマハの
スポーツ用品製造。澁谷が西武スポーツで働いていたころの
担当営業は元アーチェリー選手でしたっけ。

FRP成形技術を活かしてスキー板、テニスラケットを製造。
バブルの影響で1997年以降スポーツ用品事業から徐々に撤退。

旧社名・日本楽器製造でロゴが3音叉であることからわかる
通り、現在では楽器に原点復帰しています。
バイクの発動機部門は分離独立して、派生エンジンを使う
マリン系やスノー系のスポーツでも業績をあげています。

さて、QUATRO BEAT。

約100平方インチの大きさながら、かなり特長的な形状。
実は1994年グッドデザインアワード受賞の名品です。
フェイスのトップとボトム部分が思い切りブ厚く、
縦糸36cmに対して横糸23.5cmと半分の長さにしています。

高反発させる効率を形状設計で計算したデザイン。
かなり軽やかに鋭いショットが打てました。

フレームに記載されていた推奨テンションの数値が異質!
ベストセッティングは縦60ポンドに対して横18ポンド。
長さが2分の1なので強調されているとはいえ、そんなに
差を開いてよろしいものか…。

実はこの数値、ヤマハの開発したストリンギングマシン
「TRUE TENSION」で張った場合の設定です。
ツルーテンションというマシンはプレ・ストレッチ機能を
バネ式マシンで採用した唯一のモデル(だと思う)。
プレストレッチとは指定のテンションにするために、
あらかじめそれ以上の張力で引っ張ってから指定数値まで
戻す方式です。
横糸は縦糸に対して編んでいくため、摩擦がかかり、
同じ数値で張っても半分くらいしか張力が実現できない、
という理論に基づいています。
横糸をしっかり張り上げられるので低い数値となるのです。

さすが理系の会社です。
posted by goforit at 18:54| Comment(0) | ◆フレーム歴史館
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